小学校一年生の学力テスト

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火曜日。仕事を終えると、POLOさんで塾まで娘を迎えに行くのが僕の役目になっている。「パパが迎えにこないならもう辞める」と言い出すものだから、会社の終業を迎えると時間をロスすることなく塾へと向かう。17時50分。塾に到着して車の前で暫く待っていると”疲れたぁ”という顔をしながらも、嬉しそうにニコニコと出てくる。







「塾の中にな、クーラー無いねんで。」







塾のカバンを右手で持ちピンクのコップの付いた水筒を首からぶら下げている。車の前まで来ると、僕の顔を見て溜め息をひとつ吐く。







「暑いから、めちゃめちゃ喉乾くねん。お茶無いとやっとれんわ。」







「それはそれは、ご苦労さんで」







運転席側のドアを開けて、倒したシートの後ろを抜けてナビゲーションシートへと移る。塾のカバンと水筒はリアシートに放り投げられて転がっている。いつからか娘は、飴をふたつ手の中に握って毎回塾から出てくる。宿題が上手に出来たご褒美でもらうのだと言っていた。ひとつは自分の口の中へと入る飴。で、もう一つは「パパの分」だと僕にくれる。イグニッションを回してエンジンを掛けると、吹出口から出てくるエアコンの風を気持よく浴びている。そして娘がくれた飴玉を、宿題もしていない僕の口の中へと放り込む。







「何味やった?」







「うーん。オレンジ味」







右ウインカーを出して合流のタイミングを計りながら、飴の色だけで判断して適当に返事してみた。だけど舌で数回コロコロと転がしていたら「マンゴー味」だというのが味音痴の僕でもわかった。







「学校の宿題できた?」







「もう、全部したよ。時間割も合わせたし完璧。それとなー、算数のテスト返ってきて、100点やったよ」







「へぇえ、本当に?」







小学校一年生になってはじめてのテストが行なわれたのを少し前に訊いていた。先日返ってきた国語はたしか40点だったけ。2択問題で、どちらの言い回しが正しいかという問題に、正解に丸をつけるというもの。「おねいさん」「おねえさん」みたいな問題がズラズラ並んでいた。ちなみにこの問題「おねいさん」は間違いなんだって。「パパは、オネイサンって言うよ。どっちでも良いような気がするけどな。」ボソリとそんな感想を口にすると、妻の冷たい視線が突き刺さったのは記憶に新しい。対向車が来てもすれ違えないほどの細い道を、ずんずんと進む。






「100点取ったの、クラスに二人だけやってんで」







「ほんまかいな」







塾のことや学校の事、友達のはなしとかを訊きながら家路につく。ほんの5分。車の中だけの会話。







「飴からなんかゼリーみたいなんが出てきた」







ハザードを点しながらバックギアに入れて駐車場の白く太い枠の間にPOLOさんを入れる。リバースギアをパーキングに入れるのを見届けると、ハザードランプのスイッチを慣れた手つきでポンと娘がOFFにしてくれる。歳のせいか、最近ラインに真っ直ぐに止められない気がする。車を降りると、なんとなく車の頭が右に傾いていた。







「ほんまや」







娘よりワンテンポ遅れてマンゴーゼリーのとろける甘みが、僕の口いっぱいへと広がってきた。さぁ、妻が作った夕食を食べようか。






















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by saibara31 | 2016-07-05 22:18 | あなた天使ちゃん

FUJIFILM X100T で撮った写真ブログ&兵庫及びその周辺まち歩きと、デミオ15MBで行くドライブ日記。  * このページはリンクフリーです。


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