自由帳
2016年 05月 14日
FUJIFILM X100T
「宿題終わったら、時間割り見ながら明日の用意手伝ってよ」
プリントの表裏にぎっしりと平仮名の「お」を書かないといけない宿題をしながら娘が僕に言う。公文で散々やってきたことを、また再びこうしてやらなければいけない理不尽さに「もう公文やめる」とも言い出す始末。娘の書く「お」ばっかり見ていると、「お」ってこんな形やったっけ?と思ってしまうから不思議だ。根気強く「お」を書ききって明日の時間割りを合わすことにした。
「パパは適当やからなぁ」
ランドセルの詰め方があるらしく、僕がやるのではダメだと馬鹿にする。
娘が少しだけ離れた隙に、「自由帳」なるものを発見し中を見てしまった。罫線がなく、白紙のノートで構成されているそれは、まさしく自由帳で、自由に使っていいものらしい。一ページ目には、娘が描いた女の子のイラストが描かれていた。次のページから途中まで白紙のままで、パラパラパラとページをめくっていると僕はえらいものを発見してしまった。
それは、自分の名前と男の子の名前を縦に書いて相合い傘にしたものだった。
僕は気絶しそうになって、ゆっくりとノートを閉じ、見なかったことにして娘のランドセルにそっとしまった。
・