Xperia Z4 Tabletを格好良く使える場所
2016年 03月 30日
FUJIFILM X100T
「パフェが食べれるんやったら行く」
一人では心許ないヘタレの僕は、娘にスタバに行かないかと誘ってみたら、なにやら条件を突きつけてきた。普段行かない場所へ行こうとしているのだから、そこにパフェがメニューにあるのかどうかもわからない。僕はいつものように適当に返事した。その曖昧な返事に動物的勘が働いたのか、疑り深い悪代官のような目で僕をみている。
「スタバって、どこにあるん?」
「別府駅のとこ。ヨーカドーの近くの。」
少し考えたかのような間があったと思うとすぐに、「近所のマックがいいわ」と言い出す。関西人なのに、近頃の若い人は「マクド」とは言わないらしい。
「マックにパフェはないよ」
「マクドって何?」って、突っ込まれるのも嫌なので、僕も「マック」といって洒落てみながらメニューもろくに知らないくせに口からでまかせをいう。娘によると、別府駅まで行くのが遠いから嫌だという。マックも同じくらいの距離なんだけれどもなぁ。でも、「マックカフェ」とかいうくらいだから、いいかなとあっさりと妥協した。なんか安そうなイメージだし。
マクドナルドに着いたのが夜の8時前。1階の注文カウンターには、他に誰も居なくて閑散としていた。カウンターの前に立ってしばらくメニューを眺めていると、アルバイト店員さんが僕たちの存在に気付いた。娘の食べたいものを注文して、自分はコーヒーのSサイズを頼んだ。ワオンカードにチャージしていた千円ほどが一瞬にして消えてなくなる。トレーに並べられた商品を持ってそろっと2階に上がると、サラリーマン風のオジサンがノートパソコンを広げているのが見えた。その横の席に陣取って、負けじとタブレットを出すのには勇気が必要だなと思ったので、少し離れた場所を探す。店の奥に進むともう一組、30代くらいの男性と年の離れた年上の女性が座っていた。その2つ離れた角のテーブルを陣取った。
話に聞き耳を立てているわけではないけれど、静まりかえった店内に会話が響く。どうやら、親子のようだ。30代くらいの息子さんは派遣で働きだしたらしく、その苦労話を延々母にしているようでタブレットどころではなかった。1億総活躍とか言って官邸に有識者を招いて話を聞いている総理は、一度マクドナルドの2階に来て話を聴いてはどうだろうか? きっと参考になると思う。
あーせっかくマクドナルドへとタブレットを格好良く使いに来たのだからと、それっぽく広げてみる。
ポテトを食べやすく広げて、ナゲットのソースの蓋を開け、ハンバーガーを娘に渡す。娘の髪止めを持ってくるのを忘れたのに気付く。ペーパーナプキンを細長くクルクル纏めて、娘の後ろ髪をくくってやった。洗い立ての艶々した髪の毛にバーベキューソースが付いたのでは目も当てられないから。ひらがなの形をしたフライドポテトを探しては、「し」だの「つ」だの言って楽しそうに食べている。
ワーワー言ってる娘の横で、タブレットを広げてみたが、それが格好良いわけがないのは”マクド”に決めた時点で気づくべきだったのかもしれない。
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