生後9ヶ月で、先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)の手術
2010年 10月 17日
朝は8時前まで、爆睡のレナ子を無理やり1時間も早く
起こして、朝、7時に離乳食を食べさせる。
朝はさっぱりお粥に、ヨーグルト、ミルクを120cc
飲んでここから絶食がスタートする。
8時に車に乗せて、病院へ。
病院に着いて、さっそく悲劇が・・・。
「なんか、臭くない?」
「うんこ してる~」
しかも、超大量で、ワタシの長袖シャツの袖をも染める。
もちろんレナ子の着てるロンパース型の服も染まって、
悪臭がオムツ換えのスペースに漂う。
真夏のようなサーフボードの描かれた Tシャツ姿。
レナ子も、ロンパースを脱がされ肌着とオムツ姿に。
こんな格好で、すでに大勢の人が集まる「小児外科」の待合へ。
体温を計り、身長・体重を計測するために、裸にするのには楽。
しかし、異様な雰囲気をいち早く察するレナ子はすでに、
マックスに泣いている。嗚咽して、食べたものを全て吐き出さないか
それを心配するほど。
続いて、「小児外来」に通され、手術する耳の位置を確認。
水性マジックで、印入れてるだけなのに、嗚咽しながら泣く
レナ子。まわりが心配しだす。
「ぼくちゃん、泣いてたねぇ~」
「あわわ・・・。お、女の子なんですけどね」
「あ~、ごめんごめん、、元気に泣いてたから僕ちゃんかと思った」
シクシク、と余韻が続くレナ子。周りには、ぐったりした子も大勢いる。
「それで、僕ちゃんは、どこが悪いの~?」
「わ・わ・わ・・・。女の子なんです・・・」
白い肌着姿で、赤い短パンツ姿のレナ子。
確かに、「はなかっぱ」に似ているのだけれど・・・。
そうこうしていると、看護師さんに病棟に案内される。
「小児病棟」 常に 満床の状態だとか。1泊2日の手術。
朝10時に入ると、明日朝10時までには出て行ってください。
昨日入院した近くのベッドの患者さんも、慌しく退院をしてゆく。
12時ちょうどからの手術ということもあり、ベッドで手術衣に
着替えさせる。若い美人の2人組みがやってきたと思えば、
麻酔科の先生だった。全身麻酔の仕方。口にチューブを差込んで、
酸素を供給すること。低酸素脳症などの最悪の事態なども含め、
説明を受ける。
「泣くと、吐くまで泣くんです」
「意識がなくなってからするので、大丈夫ですよ」
主治医の先生からは、手術の進め方の説明。
切って、袋を出して、綴じる。
1時間程度の比較的「簡単」な手術だという。
ワタシらが、心配してることは、レナ子は泣くと吐くまで泣く
ということ。全身麻酔からさめるときに、窒息したパンダのよう
にならないかというのが心配で、そのことを告げる。
「吐くまで泣くんですね」
要注意人物としてチェックされる。
同意書にサインをして、PHSの貸出し票にもサインをする。
12時前、ワタシの抱っこのまま手術室へ。
12時ちょうど。
手術室の前室で麻酔科の先生へ抱っこのバトン。
恐れるように泣くレナ子。言葉は喋られないけど、
「いやや~」「いやや~」といってるのがわかる、明らかに
いつもとは違う泣き方。心が痛む。
PHSを持たされ、手術室の前で待機。
「家族控え室」なるものがあるのだけれど、気になって
しょうがない。手術室の扉の椅子に腰掛て待つ。
13時を過ぎても、PHSの呼び出し音が鳴らない。
「大丈夫かなぁ」
ましゃ子と心配しながら、長いすに座って時計を眺める。
1時間を20分ほど過ぎたころ、ピピピとPHSがなる。
どこを押していいのか解らないワタシ。ましゃ子に「通話」
ボタンを押してもらう。
「無事に終わりました」
主治医の先生が出てきてくれ、家族説明室で、レナ子の耳から
取れたモノを見せてくれる。入り口の穴は小さかったけど、
中で相当大きくなっていて、破れもせずにキレイに取れたので、
再発の危険もないでしょう ということ。
麻酔から醒ましてますから、と一旦外にだされるが、すぐに
呼ばれ手術室の前室へ。泣き叫ぶレナ子。
点滴の管が、足に通され、グッタリしてるレナ子。
でも、必死で泣いている。抱っこしてやると、そのダルさが
伝わってくる。泣く声が枯れていた。
抱っこしたまま、病室へと戻る。
廊下を泣き声が響き渡る。
足をバタバタさせて暴れてみたり、身体を仰け反ってみたり、
レナ子の辛さが抱っこ越しにわかる。
1時間くらいすると、落ち着いて寝てくれた。
夕方起きて、夕食の離乳食に出た お粥は7分程度食べる。
しかし、哺乳瓶のミルクを口にしない。ストローマグに入れた
お茶も口にしない。顔を背けて嫌がる。
病院で提供されるミルクは味が違うから?
お茶もかなぁ~?
なんて最初は思っていたのだけれど、その日は結局ミルクを
飲むことなく20時には寝てしまう。
ましゃ子がレナ子とお泊りで、ワタシは、レナ子の食事の時に
大量に漏らされたオシッコがズボンを染めて、今晩は家へ。
翌朝、徐々に元気が戻ってきたレナ子だけれど、相変わらず
ミルクとお茶は拒否する。家から、こっそりもってきた
「ベビーダノン」のヨーグルトは完食するのに。飲み物を受付
ようとしない。
主治医の先生の検診が9時過ぎにあって、「退院してもいいです」
ということに。
家に帰ると、一通り部屋中のものを確認しながら散らかすレナ子。
元気は取戻した様子で、一安心なのだけれど、椿鬼奴的に枯れた声
と、ミルクとお茶を拒否される。
「味じゃないぞ、これは」
てっきり、味が違うから飲まないと思っていたミルクやお茶。
家に帰ってきても同じ状況なのだから、これは心配。
試しに、コップにお茶を入れてあげてみた。
コップで飲むのは初めてなんだけれど、口をつけてゴクゴクと
飲んでいるレナ子。
哺乳瓶の先と、ストローの先が 嫌なんだということに気が付く。
たしか、麻酔科の先生が言っていた、口の中にチューブを入れて
酸素を送るって。手術がトラウマになったのかなぁ・・。
結局、この日も一日ミルクを口にしなかったレナ子。
お茶はコップで飲めるのですけど・・・。
いったい、手術室で何があったの?