実は今ごろになって、発見したことがある。9N後期型POLOに乗っている人が、どれほど居るのか知らないが、これは大発見なのかもしれない。
当時、このPOLOさんが日本で売りだされた時のウイークポイントが「ドアの音」だった。
Bセグメントの小型車なのに、ドアを閉める音が「重厚である」というのが”売り”だったようなのだ。実際はどうなのかというとよくわからないが、重いドアだというのだけは事実。「高級感がある音」というのは別として、それが「重厚な音」なのかと言えば、そうかもしれないという程度。
それともう一つの売りだったのが、「レーザー溶接」というもの。それによってどんなアドバンテージがあるのか知らないが、このことによってルーフ部分にある継ぎ目が目立たなくなった。車のデザインとしては、スッキリとしてとても優れた事だと当時は感心した。
ところが雨の日になると、ルーフの登頂部分から流れる雨の雫が、ドアを開けた車内に勢い良く滴り落ちるという目に何度も泣かされてきた。アドバンテージのはずの「レーザー溶接」のせいで、流れだした雨粒が境目の無いのをいいことに、今まさに座ろうとしているシートまでをも濡らすのだ。
このことを僕は、8年間も我慢してきた。
”洗車マニア”だった僕が、”写真”というのに気を取られるようになって、半年近く洗車を怠っていた。
水垢もくっきり縦縞を作りだし、あまりにも汚れが目立ち始めてきたので、重い腰をあげて短い晴れの合間に洗車をしてみた。
洗車といっても2リットルのペットボトル3本分の水を用意すれば、なんとかなる小型車。水を拭きあげたあとは、”プレクサス”で全身コートして仕上げるのだけれど、今回は天井部のみは水洗いだけにして、プレクサスを吹き掛けるのをやめた。
実は、これが正解だったのだ。
雨が降るとワックスを嫌うように大きく成長した雨粒がボディーを伝う。これが原因で車内を濡らしていたのだ。水洗いだけにして拭いただけにすると、雨粒が作られずボディを伝うことはなくなった。同時に、車内が濡れずに済んでいる。
8年経って知った事実に、ほんのちょっとだけPOLOさんに愛着を感じるようになった。
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