FUJIFILM X100T
「明日さぁ、何の日か知ってる?」
昨晩のこと。お風呂上がりの冷たい麦茶を、ガラスのコップに注ぎながら娘に訊ねてみた。
「うーん。プールの日」
濡れた髪の毛をバスタオルでゴシゴシと拭きながら、自慢気に答える。
「プールの日は正解なんだけどな。もうひとつ無いかな?」
「うーん。わからん。」
口元はコチラ側を向いているが、目線の先を見ればテレビ番組のお笑い芸人へと傾いている。
「ママの誕生日やん。」
暫く間が空いたと思ったら、「ほんまやー」と目をぱちくりさせて僕の方を見る。この日の妻はパートに出掛けているので、「帰って来たらママが見られるように手紙書いておこうか」と娘に提案すると、さっそく色鉛筆といろ紙と鉛筆を手際よく揃え始めた。
「ママって、何歳になるん?」
「それは、国家秘密だからパパは答えられないわ。パパは、永遠の31歳やけどな。」
「え~、白髪だらけのオッサンやのに? じゃあママは、32歳ってことにしとくわ。」
「きっと喜ぶわ。」
娘は、いろ紙にメッセージと妻の似顔絵を描いている。みるみるうちに可愛いメッセージカードが出来上がった。僕はそれを横目で見ながら、コップになみなみと入れた麦茶を、ごくりと一気に飲み干した。
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「私の写真も撮れや」
妻がそういうものだから、「一日一◯」みたいに言うところの「一日一妻」を撮ろうとおもった。それが、ブログ等々でアップロードされる日がくるかどうかはわからないけど。
「何、撮ってるんよ」
初日の今日からこんな調子で、この先大丈夫なのだろうか。
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