カウント
2015年 11月 26日
( 北条鉄道 法華口駅 / 兵庫県 加西市 )
実家の2階に、数年前で時が止まったままの僕の部屋がある。部屋と言っても一畳半くらいの大きさの洋室で、設計上は物置部屋ということになっている場所を強引にテーブルを入れて部屋にしている。時が止まったままというのは、僕が彼女の家に転がり込んだ時期から手付かずのままになっているから。
つい先日、実家に帰るタイミングで娘と一緒に部屋を物色していたら、東京に居た頃に使っていたカウンターが出てきたので、娘にあげた。当時、ジュエリーを数えるのに使っていたものなのだけれど、たぶん交通量調査でカチカチやってるアレと同じものだと思う。手前のボタンを押すと、1個づつカウントしてゆき、横に付いているダイヤルを回すと、「0000」に揃える事が出来る。ダイヤルを「9999」まで回して、もう一回まわしたら「0000」になるのを娘に説明するのだけれど、「9999」にして、わざわざ手前のボタンを押して「0000」にしてみせてくる。その発想は、僕には無かったので大げさに驚いてみせた。
家に戻ってからも、何かあるたびに、カチカチとカウンターで数をカウントしている娘。相当気に入ってくれたみたいだ。
カチカチカチ
カチカチカチ
カチカチカチ
昼寝している頭の方で、カチカチと音がする。目を覚まして見上げると、僕の白髪の数をカウントしている娘と目があった。